JMSに行ってきました

B2の松谷です。先日Japan Mobility Show(以下JMSと表記)に行きました。興味深かったいくつかの展示について語ります。

一つ目はトヨタのNEO Steerです。これはアクセルとブレーキを手元で操作することができるステアリングです。このステアリングを載せた車はアクセルペダルとブレーキペダルは取り払われています。

私がステアリングに期待している事は大きく分けて2つあります。1つ目は足に障害を持っている人が車をより簡単に操作できるようになること、2つ目はアクセルとブレーキの踏み間違いを防止することです。

ペダルの踏み間違いの根本的な原因の1つに、アクセルペダルとブレーキペダルという真逆の加速度を出力するパーツが隣同士である事がある点、つまりデザインに問題があると私は思います。

このNEO Steerでは、スロットルは右手親指を押すことで開き、ブレーキは左右のレバーを引く事でかかります。踏み間違いの防止をデザインの変更という観点からアプローチする手法です。

2つ目は水素エンジンです。これはカワサキの998cc 4気筒のエンジンです。色が付けられている部分以外は既存のバイク用エンジンをそのまま使っているとのことです。ここで私が注目したのは水色のスーパーチャージャーです。

燃料がガソリンか水素かによって、シリンダー内で起こる化学反応・理想空燃費・取り出せるエネルギーが異なります。つまりガソリンは優秀な燃料だという事です。水素の燃焼から十分な仕事を取り出すために要る酸素の量が自然吸気では足りず、スーパーチャージャーを使い大量の空気を吸い込む必要があるようです。

とはいえベースのエンジンは「ニンジャH2」の998cc直列4気筒スーパーチャージドエンジンです。スーパーチャージャーに色付けされていたということは、燃料を水素に替えるにあたり過給気圧を引き上げる等の改良をしたのでしょうか?

またこのエンジンを積んでいるラリーカーがモータースポーツのエリアに展示されていました。ダカールに参戦予定とのことです。

3つ目は学生フォーミュラの展示です。

展示された2台のマシーンの片方、京都工芸繊維大学Grandelfinoのマシーンはパワートレインにエンジンを使用するもの最高峰の1つであり、今年度の大会で3連覇を成し遂げました。そのマシーンが展示され細部までゆっくり眺められる、大変貴重な機会でした。

第一印象は「洗練されている」でした。シルエットはもちろん、整備性もかなり良さそうです。特にファイヤウォールは勉強になりました。これを私たちのマシーンに反映できるかはまだわかりませんが……

またエコパのサーキットを走ることができるシミュレータも設置してありました。コースの概略はわかっているはずなのに、数多のコーンを跳ね飛ばしスラロームで何度もコースアウトしてしまいました。ドライバーの方々は本当に凄いですね。

この他にもコンセプトカー、次世代モビリティ、キャンピングカーなど様々な展示があります。とても刺激的な1日でした。